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情報工学一般 Edit

次の2問題のうち1問題を選んで解答せよ。( 解答問題番号を明記し,答案用紙3枚以内にまとめよ。)

II-1 Edit

資料A及び資料Bは、システム基盤の非機能要求を「見える化」するために、非機能要求グレード検討会がまとめた資料の一部である。これらの資料をよく読み、情報工学部門の技術士の立場から次の(1)〜(3)の問いに答えよ。ただし、(1)は答案用紙1枚以内とし、(2)と(3)で合わせて答案用紙2枚以内とする。

  • (1) 非機能要求の要件定義に対する課題を、発注者/受注者の立場からそれぞれ説明し、非機能要求グレードのメリットを述べよ。
  • (2) あなたのシステム構築の経験から、\能、拡張性、セキュリティの非機能要求に対して、重要と考えられるメトリクス(指標)をそれぞれ1つずつ挙げ、重要と考えた理由及びその内容について説明せよ。また、発注者と受注者間の誤解を防ぐための工夫点について述べよ。
  • (3) 非機能要求グレードを広く普及させるための方策について具体的に論ぜよ。

資料A:非機能要求グレード利用ガイド[解説編]、非機能要求グレード検討会、2010年2月(抜粋、一部改変)


1 はじめに

1.1 非機能要求グレード策定の背景とねらい

 (中略)

情報システムに対する要求には大きく分けて2つ存在する。(図1参照)

ひとつは、業務実現に関する要求で、業務の機能そのものを示すことから「機能要求」と呼ばれる。例えば、「営業情報をシステム上で共有して把握したい。」「受発注情報に連動した在庫管理を行いたい。」等の要求である。もうひとつは、「機能要求」以外の要求を意味する「非機能要求」と呼ばれる要求で、例えば、「システムダウン時は3時間以内に復旧して欲しい。」等の要求である。システム基盤に関する要求は、主にこの「非機能要求」である。

非機能要求グレードのねらいは、システム基盤に関する非機能要求を明確化し、ユーザ/ベンダ間で認識を共通化することで、適切な情報システムを構築し、安定的なサービスを提供できるようにすることである。

1.2 省略

1.3 非機能要求グレードのスコープ

1.3.1 省略

図1.png
図1 非機能要求のイメージ

1.3.2 スコープとしている項目

非機能要求グレードはシステム基盤にかかわる非機能要求をスコープとしている。具体的には、それらの要求を「可用性」、「性能・拡張性」、「運用・保守性」、「移行性」、「セキュリティ」、「システム環境・エコロジー」の6つの大項目に整理している。それぞれの第項目の説明と、その要求の例を表1に示す。

表1 非機能要求グレードの6大項目
非機能要求
大項目
説明要求の例
可用性システムサービスを連続的に利用可能とするための要求運用スケジュール(稼働時間・停止予定など)
障害、災害時における稼働目標
性能・
拡張性
システムの性能、および将来のシステム拡張に関する要求業務量および今後の増加見積もり
システム化対象業務の特性(ピーク時、通常時、縮退時など)
運用・
保守性
システムの運用と保守のサービスに関する要求運用中に求められるシステム稼働レベル
問題発生時の対応レベル
移行性原稿システム資産の移行に関する要求新システムへの移行時間および移行方法
移行対象資産の種類および移行量
セキュリティ情報システムの安全性の確保に関する要求利用制限
不正アクセスの防止
システム環境・
エコロジー
システムの設置環境やエコロジーに関する要求耐震/免震、重量/空間、温度/湿度、騒音など、システム環境に関する事項
CO2排出量や消費エネルギーなど、エコロジーに関する事項

1.4 非機能要求グレードの概要

1.4.1 省略

1.4.2 非機能要求グレードの構成要素・概要

非機能要求グレードを構成する各ツールの概要および非機能要求グレード全体のイメージを図2に示す。また、要求項目の体系化を図3に示す。さらに、資料Bには表2としてグレード表、表3として非機能要求項目一覧、図4として樹系図の一部を示す。

(1)グレード表

図2の上段に3つの「グレード(モデルシステム)」を示している。その3つのもですりステムの説明は下の段落にある。グレード表とは3つの「グレード」それぞれに非機能要求のレベル値を定義したものである。グレード表で対象となる要求項目は、ユーザの視点を踏まえ、品質やコストに与える影響が大きいという観点で選択した項目となっている。そのため、項目一覧から重要項目を抽出して表2の左側に表示し、右側に3つの「グレード」のそれぞれに非機能要求項目のレベル値のセットを定義したこうせいとなる。

上記の3つの「グレード」は、グレード表に含まれるモデルシステムシートの中で以下の3つのモデルシステムとしてその特性を定義している。

  • 社会的影響が殆どないシステム
  • 社会的影響が限定されるシステム(企業内の情報系システムなど)
  • 社会低影響が極めて大きいシステム(バンキングシステムなど)

モデルシートには、表2の右端の欄にあるように、ユーザがモデルシステムを選択する際の基準として、それぞれのモデルシステムの特徴を表す非機能要求が定義されている。

1つめのモデルシステムには選択レベルと選択時の条件の記述がある。選択レベルにはベース値として各要求項目のレベルの初期値が設定されている。非機能要求を決定していくにあたり、グレード表と合わせて活用することで、モデルシステムで設定されているベース値を参考に決めることができるようになっている。

モデルシステムは、非機能要求項目を段階的に詳細化して合意していく過程をとることで、グレード表を利用した非機能要求の選択を容易にすると共に、まずは重要な非機能要求項目を合意することで、早期にユーザ/ベンダ間での認識のズレを抑えることを目的としている。

(2)非機能要求項目一覧

項目一覧は、システム基盤に関わる非機能要求をユーザ/ベンダ間で漏れなく共通に認識できるように項目を体系化した一覧表である。要求項目は表1で定義したように6つの大項目に分類されている。項目一覧は、図3の要求項目の体系化に示すように、各大項目を単位に要求項目を体系的に整理・ぶんるいすることで網羅性を高めている。

非機能要求をユーザ/ベンダで合意していく過程はさまざまであるが、最終的に合意すべき非機能要求を一元的に確認できるようにすることが目的である。

表3の非機能要求項目一覧にあるように、グレード表で定義された非機能要求項目が含まれており、段階的詳細化の過程において、グレード表で決定した要求項目から更にブレークダウンして詳細な項目を決定するような利用方法を想定している。

(3)樹系図

図4の樹系図は、グレード表、項目一覧の閲覧性を向上させ、要求項目の検討順を可視化した図となっている。樹系図はグレード表および項目一覧を利用する際に併せて参照することで、非機能要求項目を段階的に詳細化していく作業を効率化することが目的である。

例えば、グレード表を用いて重要項目のレベルを決定していくようなケースでは、ユーザ/ベンダがお互いに樹系図で非機能要求全体を俯瞰し、次にどの項目を決定するかを確認しながら作業を進めることができる。

図2.png
図2 非機能要求グレードの概要と全体イメージ



図3.png
図3 要求項目の体系化




資料B:非機能要求グレード検討会資料 2009年10月(抜粋、一部改変)


表2 グレード表
表2.png



表3 非機能要求項目一覧
表3.png



図4.png
図4 樹系図

II-2 Edit

資料A及び資料Bは、2件の情報システム障害に関する記事の一部を抜粋したものである。それらの資料をよく読んだ上で、情報工学の技術士の観点から、次の問い(1)については答案用紙1枚以内、(2)については答案用紙2枚以内で答えよ。

  • (1) 資料A及び資料Bに挙げた2件の障害事例から1つを選択し、システム障害が発生した根本原因を分析し、その対策を論ぜよ。
  • (2) 資料A及び資料Bに挙げた2件の障害事例を参考とし、あなたの業務で利用しているシステム、あるいは構築・運用等に従事しているシステムに対し、コストや工期等の実現可能性も考慮し、信頼性向上に必要な対策を論ぜよ。

資料A:「医療系情報システムで不具合が頻発、稼働後3年が経過しても安定せず」
      日経BP社、「動かないコンピュータ」、日経コンピュータ、2007年8月20日号


(雑誌の引用なので掲載自粛)


資料B:「羽田空港の管制システムがダウン」
       日経BP社、「動かないコンピュータ」、日経コンピュータ、2010年2月3日号


(雑誌の引用なので掲載自粛)




添付ファイル: file図4.png 300件 [詳細] file表3.png 247件 [詳細] file表2.png 292件 [詳細] file図3.png 271件 [詳細] file図2.png 413件 [詳細] file図1.png 298件 [詳細]

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Last-modified: 2010-08-16 Mon 23:38:21 JST (3399d)